何か新しいことを始めたいと考えていて、「いろいろなものを触ってみる」のはどうだろうと思いました。
映画を観たりするのも悪くない、どこか食べ物のおいしいお店を探すのもいいな、なんて妄想を膨らませていると五感で一番使っていない、もしくは鈍感なのは触覚のような気がしたのがキッカケです。
僕は潔癖な気があって、買い物カゴやカートは極力触りたくない、公共のモノもしぶしぶ触っているような生活。
謎な基準で手がきれいでありたいと思いすぎるがために、なるべく何も触らないように過ごしてきました。
思い立ったが吉日。
散歩へ出て目の前にあった石造りの塀をトントン触りながら歩いていたら、なんとも懐かしい感触。
小学生くらいに同じことをしていた記憶がよみがえりました。
塀を触ったときに赤いダニを潰してしまったようで2点ほど赤く伸びた何かが付いていたり。
そして手が粉っぽいサラサラした状態になるなど、何もかもが懐かしい。
道路の角に立っているカーブミラーもさりげなく触ってみたところ、案外マットな手触りに驚き。
鏡は外においてあるモノなだけあってかなりしっかりしている印象でした。
そのへんにある2つのモノに触れただけで、とても新鮮な気持ちと、とても懐かしい気持ちを得られて大満足。
手が少し汚れても洗えば問題なし。
また手の平だけでなく、手の甲、腕、足、たくさんのところで異なる感触があるのも魅力的かもしれません。
そんな当たり前のことを忘れてしまい、本当にもったいない。
これからたくさんのモノを触りたいです。
しかし、ところ構わずぺたぺたするとヘンな人だと思われるので注意。
そういえば、ヒキコモリ真っ盛りのとき、父と言い争いになったのち、言い過ぎたと謝りながら僕の手を握ってきたことがありました。
そのときの父の手はとても大きかった。
今でもハッキリと覚えている、分厚くゴツゴツしていて、苦労してきた手。
あの感触は絶対に忘れません。