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【Books】髭男爵の髭のほうのエッセイ「ヒキコモリ漂流記」がおもしろかった

活字が苦手な僕は本を購入する際、購入するに至った経緯や理由を必ず覚えています。

しかし、これは買った理由を全く思い出せない不思議な本。

おそらくどこかでおもしろいとの評判を聞き、僕自身ヒキコモリだったことから購入したのだと思います。

このなんとも言えないかわいらしいおっさんの表紙もインパクトがあります。

見るたびに軽くニヤついてしまうくらいかわいい。 

 

本の内容は髭男爵、山田ルイ53世の生い立ちが書かれています。

そもそも山田ルイ53世って誰?となってしまう人もいるのでしょうか。

ひぐちカッターのほうではなく、大柄で髭がはえているワイン片手に「ルネッサンス」な人です。

 

この大柄な髭の人がかつてヒキコモリだったことにまず驚きですが、本を読むとヒキコモリだったことよりも壮絶な生い立ちのほうが強烈でした。

 

まず僕に刺さった部分は、山田ルイ53世が「子どもの頃から冴えていたところ」です。

周りよりもほんの少しできる子、みたいなポジション。

それが山田ルイ53世であり、昔の僕でもありました。

きっとそんなことを考えていた人はごまんといるはずなのですが、できる子をこじらせた彼の壮絶な物語。

僕もややこじらせていたので、ウンウン、わかるーと思いながらおもしろおかしく、そして他人事のように思えない話に読みふけていました。

ただ「その少しできる」ヘンテコな意識をもった人間の体験談が書かれているだけ。

それだけと言ってしまえばそれまでですが、できる子をこじらせたが故に学校を辞めて、単身で上京し、ホームレスのようにもなり、風呂にも入れず、ちゃんとごはんも食べられず、服も数着しかない、ドラマのような人生を送ってきている人が芸人としてテレビに出ている、そのギャップに驚き、そして惹かれました。

小さなことは一切気にしない、いかにもお金を持っていそうな風貌からは想像もできない過去の生活を知り、人は外見で判断できないと心底理解できたような気がします。

 

文章はやはり芸人ならではで、笑いも散りばめてあります。

ふふっと笑うようなことから、思わず吹き出してしまうことまでさまざま。

小難しい言葉がところどころ使ってあり読みづらく感じながらも、「少しできる子」を引きずっているようにも受け取れて楽しくもありました。

 

本書に出てくる「人生が余っている」という表現は現在の僕にピッタリ当てはまっているような気がしており、なんともフクザツな気分。

一生懸命今を生きているようで、まだまだ先を諦めていない、諦めたくない意識が見透かされたような言葉でした。

夢や希望を持つのは悪くないですし、それを無駄だとか諦めろとかいうつもりは全くありません。

ただものすごく漠然とした、昔から抱いている僕の夢や希望は掴めるのか。

もっと大きなことができるのでは?と根拠のない自信より、目の前の現実をしっかりとこなしていくことのほうが大事なのかもしれないと教えられた気がしています。

自分の生き方に少し詰まっている人、人の生き方に興味のある人、髭男爵が気になる人、ぜひ読んでみてください。

 

またヒキコモリ漂流記がおもしろいとツイートをしたらご本人に拾ってもらい驚きました。

重版が決定したようです。

追記

ブログ更新ツイートを再びご本人様にリツイートされてビビっております。

本当におもしろかったとリプライを送るとお返事までいただき、これまたビックリ。

芸人さんに対しておもしろいことを送ろうなどとは恐れ多く、ガチガチな文章を送ってしまいましたが、これで良かったのかとも少し後悔。

もっとあれこれ伝えたいこともありました。

それでもおもしろかったと自分から直接伝えられたので満足です。

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