自己啓発本が大嫌いな妹が、猛プッシュしている「パニック障害なんて怖くない!」を読みました。
一見難しそうだけど、全然難しくなかった!
本好きな妹が勧めるものなら間違いないとわくわくしている反面、僕は本を読むのが遅いし苦手。
渡されたとき、予想以上に分厚くて読み終えるのに何日かかるか不安になりました。
ところが中身はゆったりと余裕のある文字量。
さら楽しいイラストで抽象的なものをイメージしやすく書かれています。
ふむふむと読み進め、気付くと1,2時間ほどで読み終えていました。
入り込みやすく読みやすい、何よりわかりやすく書かれているのが最大の特徴。
イラストの持つチカラを体感した1冊でもありました。
正しいことでも、難しいことを紙一面カツカツに敷き詰めてある本より確実に読みやすいです。
この手の本は手に取りやすさも重要ですよね。
おおすじとちょっとした感想
著者のマンガ家、ベヴ・エイズベットさんも以前パニック障害で悩んでいたそうです。
無事克服できたご自身の体験を活かして「パニック障害なんて怖くない!」が作られました。
本書に登場する表情豊かなイラストはベヴ・エイズベットさんご本人が描いており、マンガを通してメッセージを発信しています。
僕もパニック障害と似たような不安神経症と診断されていて、本を読みながら「ウンウン」と頷く機会が頻繁にありました。
今でこそ納得しながら読み進めることができますが、ひどい状態のころでは文字を読むだけで終わっていたと思います。
だからこそ、わらにもすがる思いで読む人には落ち着いてゆっくり読んでほしい。
本書のポイントは目に見えないパニックを「あいつ」と客観視して考えること。
僕が「あいつ」に捕らわれていたころは、姿かたちのない、本当に正体不明の「何か」に憑りつかれていたようでした。
「何か」の存在を確認できるだけで正体は全くわかりません。
この本は「何か」を「あいつ」として客観的に見せてくれます。
そのうえで有効な対策をたくさん教えてくれます。
さいごに
著者が外国の方というのもあり、日本の書籍では味わえない言い回し、イラストの雰囲気、ギャグテイストも見どころです。
当然のことながら、本を読んで即克服しましたとはいきません。
週に1回、月に1回、または忘れたころに読み返してみると、必ず感じ方に変化があります。
前回と異なる感じ方は前進している証拠。
読み終えたら本棚にしまっておき、気付いたときにまた読み返してみてください。
僕もそうします。
「あいつ」(パニック)を自分の中に居座らせるのはネガティブに捉えがちです。
完全に不要なものですからね。
それでも生まれてしまった「あいつ」を飼いならせたら、僕が思うに「あいつ」を飼っていない人にはない何かを確実に得ています。
その「何か」は「あいつ」を手なずけられた人にのみ与えられた資格、勲章のようなもの。
まわりで「あいつ」に悩まされている人への強力なチカラになります。
違う方向から見ると、現在パニック障害で悩んでいる人は以前パニック障害で悩んでいた人に話を伺うと良いでしょう。
「パニック障害なんて怖くない!」と同じように体験談は有効なクスリです。
時間はかかりますが、必ず良くなります。
僕も10年かけて少しずつ良くなっていますから。