「人は失敗から学ぶ」
しばしば耳にするこの言葉はウンウンと必ず首を縦に振る名言です。
ある物事に取り組んでいて、障害物にぶつかり、判断を間違い、うまくいかずに失敗。
失敗すると、次はぶつからないように、正しい判断をできるように、と学びますよね。
学習したポイントをうまく避けて次へ活かすのがフツウです。
しかし、その限りではないとのお話を伺いました。
たとえば、
暑い日に抹茶アイスを食べました。おいしい。
おいしかったのでもう1つバニラアイスも食べました。そしたらお腹を壊しました。
やはり1つでやめておけば良かった。
ここで「抹茶アイスだけでやめておけば良かった」と学習する一方で、「バニラアイスもおいしかった」「涼しくなって気分が良かった」などの2つめを食べなければわからないメリットも発生します。
当たり前と思われがちなこのメリットも、近すぎると案外見えないもの。
実例として、僕は外食が苦手で極力避けていました。
随分前に外食中に気分が悪くなり、それ以降トラウマになっています。
徐々に良い方向へ向かっていますが、やはりあまり得意ではありません。
万が一また具合が悪くなったらどうしようと良くないことが起こる前に避け続けています。
ところが、あまりに外食を断り続けているのが申し訳なくなってきたことで、不得意な外食に対する見え方が変わり始めてきました。
「まずは行ってみよう」「注文して食べられなくても、申し訳ないけど残せば問題ない」「それで新しい味を体験、堪能、満喫できたら大儲けだよね」「もし具合が悪くなったら外で休んでいれば良いだけだし」
苦手な外食を軽く考えられるようになってからは、食事へ向かう足も少し軽くなってきています。
結果、無事問題なく乗り越えられる成功と、具合が悪くなっても考えているよりひどくはならない。なんとかなる。と自信を得ることができました。
何気なく勝手に試行錯誤してきたことは認知行動療法という立派な療法だったそうです。
さいごに
小難しい言葉を出しましたが、大きなことを避けずにやってみよう、そのような重たい話ではありません。
そこコンビニまで面倒だけど歩いて行ってみよう、嫌いなトマトを少しだけ舐めてみよう、マンガばかり読んでいるけどたまには活字も読んでみよう、使い慣れない左手で箸を持ってみよう。
なんでも良いのです。
まず無意識に避けていることから見つけてみるのも良いかもしれません。
避けていることに改めて触れてみて思わぬメリットに巡り会えたらラッキーですね。